平安の姫君愛用の鏡
南原千軒(ナンバラセンゲン)遺跡(琴浦町光)から出土した日本製の青銅鏡(和鏡)です。顔を映す面の裏側に、山吹の花と飛ぶ鳥がつまみを挟んで二組描かれていることから「山吹双鳥鏡(ヤマブキソウチョウモンキョウ)」と呼ばれています。文様の特徴から平安時代の終わり頃(12世紀中頃)に作られたと考えられます。  この鏡は、有力者の屋敷内に営まれた墓から出土しました。鏡が供えられていたことから、葬られたのは女性だったのではないでしょうか。この遺跡からは、青白磁の紅の容器も見つかっています。平安時代、雅やかな文様の鏡に顔を映して紅をさした姫君が、都から遠く離れたこの地にいたのでしょうか。さまざまな想像をかきたててくれる逸品です。