資料詳細
基本情報
項目 | 内容 |
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所蔵館 | 鳥取県立公文書館 |
管理ID | 0000074 |
資料群名 | 向山6号墳(むこうやまろくごうふん) |
資料名 | 向山6号墳3Dモデルオルソ図【縮尺250】 |
時代 | 古墳後期 |
種類 | 横穴式石室墳 |
所在情報 | 鳥取県倉吉市巌城 |
位置情報 | +35.4466086 +133.8296955 |
概要 | 肥後系石室を持つ古墳時代後期の前方後円墳。倉吉市街地の北側に横たわる向山丘陵の標高110mに立地。 |
特徴と意義 | 向山6号墳は、石室内に石囲いをもつ県内でも特異な横穴式石室墳である。同じ向山丘陵に築造され、向山6号墳に後出する三明寺古墳(国史跡)では、奥壁に沿って棺床が造り付けられているが、本例のほうが3体分の棺床を持ち、丁寧につくられている。 向山6号墳の石室は、熊本県北部の菊池川流域に分布するいわゆる肥後系石室の構造に酷似する。この肥後系石室は装飾をもつものが知られているが、向山6号墳では石室内には彩色の痕跡は残っていなかった。しかし、石室構造は全く同じで、被葬者の性格や出自、または交易のよるつながり等、さまざまな影響関係を考えることができる。このタイプの石室は県内では倉吉地方にしか見られない。 小型壷の破片とみられるガラス片は、朝鮮半島産であると分析された。これまで容器状のガラス製品は新沢126号墳(奈良県)や伝安閑陵古墳(大阪府)の切子碗が知られているが、ガラス成分はヨーロッパを中心とする西方系のソーダー石灰ガラス製品であり、本例のガラスとは成分が異なる。我が国にもたらされる舶来のガラス製品の流通ルートが複数存在していたことを示す資料といえる。 |
現状 | 2016(平成28)年10月に発生した鳥取中部地震により被災し、石室の一部が崩落した。遺物は倉吉博物館保管。 |
新鳥取県史 | 新鳥取県史 資料編 考古2 古墳時代 |
該当頁 | 471 |
文献資料 | 1.梅原末治 1924『因伯二國に於ける古墳の調査』鳥取縣史蹟勝地調査報告書第二冊 鳥取縣 2.新編倉吉市史編集委員会 1996『新編倉吉市史』倉吉市 3.名越勉 1973『倉吉市史』倉吉市 |
画像複写について | 可 |
画像利用について | 要許可(詳細はお問合せ下さい) |
発見と調査歴 | 古くから存在が知られ、地元民が石室内の石材を利用して祭壇をつくり大日如来を祀っていた。 発掘調査等は実施されていないが、1972(昭和47)年に倉吉市教育委員会が横穴式石室の測量等を行い、その際に出土した遺物が倉吉博物館に保管されている。には仕切石があり、奥壁と両側壁に沿って長さ1.8m、幅80cm、高さ40cmほどの石囲いが施されている。玄室中央部は通路になっており、通路部分は石囲いの床より約25cm高い。石囲い部分は棺床で3体を安置できるようになっている。 昭和47年に行った石室測量時の玄室内清掃の際に副葬品と思われる遺物が見つかっている。鍍金製品、ガラス製容器片、ガラス玉、鉄鏃、須恵器片であった。鍍金製品は片面のみ鍍金してあり、馬具の部品かとも推定される。ガラス製容器片は小型壷の体部破片で、奈良国立文化財研究所の分析によると朝鮮半島産のガラス成分と一致することが明らかとなった。 |
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