資料詳細

精霊舟(初盆の送り)

基本情報

項目 内容
所蔵館 鳥取県立博物館
管理ID 11804
行事名 精霊舟(初盆の送り)
行事名カナ シャーラーブネ(ハツボンノオクリ)
行事日 8月13日~16日
所在地 東伯郡琴浦町赤碕
行事概要 昭和30年代まで盆は旧暦で行われていたが、その後、月遅れの8月13日~16日に変わった。赤碕地区の初盆の家では、小さい木造の帆かけ舟を造る。帆布に初仏の戒名を書き、船名は「西方丸」(西方に浄土があリ、新仏は極楽浄土へ行ってほしいという遺族の願いが込められている)。13日夜に門先に置き、親しい人が拝みに来る。舟上には夏の野菜、果物、本人が日常好んでいたもの、線香、ろうそくを立て、飾る。近い所に新仏が出来たら一緒に舟に乗せる。普通2~3仏で各家の門先で1晩送ると16日の送り盆に丁度よい順番となる。16日は午後に赤崎港に運び、僧侶に拝んで貰い、親族・知人・近所の人に見送られて沖合に出航、舟を流す時は、岸に返らず西方へ行くよう、水、線香、お金を積み、静かに流す(昭和50年代頃は16日夜中に流していた)。舟の供物は西瓜、茄子、きゅうり、菓子、酒、ささげ等、本人が日常好んでいたものである。船主には酒や祝儀を出す。精霊舟を送った日は、漁師は海に出ない。もし出ると、帰って行く亡者に出合い、乗っている者と冥土へ道連れにしてしまうといわれた。
各家では8月7日に墓掃除をする。仏が帰って来る「迎え盆」には茄子で「牛」を、キュウリで「馬」を作る。迎え団子を作る。夜はオガラに火をつけ墓前にて「コナカアレゴザレ」「コナカアレゴザレ」と火を廻す。送り盆の日(16日)は「コナカアレイナハレ」「コナカアレイナハレ」と言う。その日朝早くに迎え盆に立てた花を「シブキ」に替え、平常な日を迎える準備をする。
七夕は、かつて旧暦7月6日~7月8日朝まで行っていたものが、近年新暦8月6日、7日、8日朝となった。庭先に笹竹2本を立て、5色の色紙に願い事を書き笹につける。笹竹2本の間に1本の竹を差し渡し、その竹に、トウモロコシ・茄子・胡瓜・ホウズキを吊り下げ7日の夜を待つ。笹竹と笹竹の間にお膳を作りごちそうを並べる。西瓜もお供えして、銀河にある牽牛星と織女星が年に1度だけ接近するところから、これを人間の男女に当てはめ、その瀬をよろこび祝うと言う行事である。8日の朝はお供え物を持って、笹竹を海に流す。現在はお供え物を飾って祀る風習が少しづつ薄れて来つつある。
動画URL https://aa-tottori-pref.stream.jfit.co.jp/?tpl=play_vod&contents_title=museum_bon03_b