資料詳細
基本情報
項目 | 内容 |
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所蔵館 | 鳥取県立博物館 |
管理ID | 05001 |
行事名 | 鹿野祭り(城山神社祭礼行事) |
行事名カナ | シカノマツリ(シロヤマジンジャサイレイギョウジ) |
行事日 | 4月14・15日近い土・日曜日(平成22年4月10・11日) |
所在地 | 鳥取市鹿野町鹿野(大工町・山根町・鍛冶町・下町・殿町・上町・紺屋町) |
行事概要 | 1月2日、初寄合。祭り行事を執行する若連中(大体16~26,7歳まで)が各町内の若者宿に集まり、役割を決め、名前(姓は書かない)を大書きし、鴨居に貼り付ける。 1月20日、祭りの練習開始。近年は3月15日になった。 3月15日、役面(祭り行事の進行役)寄合。3日前に年行事(総取締)が役面寄合の回章を回す。回章を受けた町の役面は、その町の判を押し(朱肉をつけず墨を塗る)、次の町へ回す。寄合には役面・助役(スケヤク)が集まり、判調べをする。次に祭りを施行するかどうかを年行事がはかり、することが決まると、例祭の日程を決める。(年行事役面は連合体を統括する。総取締の印として、シシバリ四目結の紋所の提灯を持つ。寄合での呼称は、普段親しくとも姓名は呼ばず、「下町さん、上町さん」と呼ぶ。服装は各町役面と助役は、副取締の提灯と判を持ち、縞の着物に黒足袋をはいて(近年は緩和されている)集まる。年行事の宿では、町内の若者と中老が集まり、各町の役面、助役を接待する。 4月1日、御神事場(年次、大工町の地・紺屋町の地が交替)調べ。御神事場の決定と町内の道路状況等を点検する。 4月10日、宮掃除。各町内ごとの割当区域を掃除、参道の点検・修理。 4月13日、屋台建て。ヤ締張り(町と町の境に大竹を立て、注連縄を張る)。幟立て(殿町と鍛治町に祭礼の幟を立てる)。 4月14日、宵宮。夕方(大体5時頃)それぞれの供が城山神社に登る。鳥居番と称する小若衆(大体12歳前後)が裃に威儀を正して鳥居の両側に居並ぶ。鍛治町の榊が大太鼓と笛を先頭に山腹の社殿まで練り登る。練り子は「荒役」といって各町より2名宛鍛治町に加勢する。水色の木綿筒袖の短上衣に膝が出る程の白の短袴、腹部には荒縄を約1束巻きつけている。役面・助役は榊目付として、縞の着物に羽織を着て、白足袋・緒太草履で付き添う。各町の役面も紋所の付いた提灯をかざし、1人四目結の紋所に総取締と書かれた提灯を持つ年行事を中心に榊の進行を司る。次に上町の猩々(装束は赤いもので麒麟獅子と同じであるが、御幣のついた六角棒を持つ。腰に瓢箪はつけない。)。獅子(神楽獅子)が大太鼓を先頭に、殿町の神輿は予め担ぎ上げてある。社殿前に皆が揃うと神楽が始まる。それから御神霊が神輿に移されて、猩々が跳び、獅子舞が奉納される。この間に紺屋町の綱灯籠が神社と二ノ丸に張られたロープ(長さ150m)に沿って120個の提灯が天空を飾る。その明かりに導かれるように、鍛治町の高張提灯を先頭に榊が下り、各町のお供が続き、上町の獅子・猩々、殿町の神輿、次に神官、最後に御迎(各町内の12歳前後の小若衆が裃をつけ、御幣等を持って従う)の順で行列は進む。町中の行列の終わりは御旅所(御神事場が大工町であれば紺屋町、紺屋町が御神事場であれば大工町)までである。御旅所で猩々・獅子舞が奉納されると解散である。 4月15日、本祭り。供揃を御旅所にて行う。行列の順は(1)鍛治町の大太鼓・榊、(2)大工町の屋台(玄武)御神鏡を載せる、(3)紺屋町の幟差し5名、(4)山根町屋台(朱雀)御供餅と御幣、警護の稚児(弓・鉄砲を持つ)を載せる、(5)神馬(昭和25年頃まで)、(6)下町の屋台(二轉門)、随身・鷹匠の稚児を乗せる、(7)上町の猩々・獅子、屋台(青龍)御神酒を載せる、(8)殿町の神輿、(9)神官。祭り当日の役面は、「役面着」といって、黒茶の縞模様の膝までの短いものを着る。黒の角帯を締め、首に白木綿の手拭い、木刀に陣笠をくくりつけて担いでいる。常に7人揃って行動する。夕暮れになると、まず役面の提灯に火を点じ、それから「火入れ」と称し、ここで初めて行列に通達され、火を点じることができる。行列が御神事場に着くと、屋台は提灯全部に火を入れる。その数は、屋台1基に40~50。 御神事場では、各町の場所が円形になるように予め定めてある。神輿を中心に据え、その両側に随身が座る。神事が行われ、猩々・獅子の舞が奉納されて終わる。その後、屋台を残して全員殿町の神輿蔵前に集合する。大平石の上で、年行事役面によって目録が読まれる。目録の朗読は抑揚のある節をつけ、息継ぎ箇所も定められている。それほど年行司役面の重大責務であり、一連の祭り行事がこれにかかっている。各町の者は目録が読み上げられると順次、城山へ登る。城山神社前では、御神霊を本殿に移し、神楽を奉じて最後の神事を行い、猩々・獅子舞を奉納して祭礼は終了する。 4月16日、屋台とろき。各町で屋台を解体し、蔵へ収納する。 祭礼行事・獅子舞ともに鳥取県の無形民俗文化財に指定(昭和34年12月15日)されている。(獅子舞の名称は、「志加奴・城山神社獅子舞」) |